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『サピエンス全史』

森 暉理

著者 ユヴァル・ノア・ハラリ

翻訳者 柴田裕之

出版社:河出書房新社




皆さんは自分たち人間、いえ、ホモ・サピエンスがどのように生まれ、どのように世界を征服したのかをご存じでしょうか。


他のBook&Movie Selectionでは未来についてみんな触れていますが、今回は「過去」について触れていきます。一つ安心してほしいのは、この本は確かに「ミライを考える必読書」であることです。



人類はどのように生まれたのでしょうか。

世界史の授業では4大文明「メソポタミア文明・エジプト文明・インダス文明・ 黄河文明」から文明が生まれていったとか、日本史の授業では縄文時代の狩猟採集民族である頃の日本を習ったりしたでしょう。生物の授業では、私たちが猿から進化したことを教わったかもしれません。


では、こんな話をご存じでしょうか。「人類はホモ・サピエンスだけではない」ということを。私たちは猿から進化しました。しかし、その進化は様々な人類を同時に生み出したのです。


調べてみると、実に多彩な種類のホモ属が発見されています。考古学によって発見された彼らは、しかし実際に相対してどんな人たちだったかを確認することはできません。彼らは滅び、唯一ホモ・サピエンスだけが残り、そして世界を征服しました。


これだけでも興味深い内容ですが、驚くべきことにこれはサピエンス全史の上巻の第一部、それも最初の方でしかないという点です。




私たちホモ・サピエンスには素晴らしい特徴があります。

それは、「嘘をつき、そしてとても騙されやすい」ということ。

サピエンスの歴史と言うのは、本当にあった虚構の話なのです。


未開の狩猟採集民でしかなかったホモ・サピエンスをまとめたのは宗教でした。

家族でない二つの集団がお互いを信じられたのは、同じ森に住み、その森の精霊に守られているという物語によって集団が結束したためです。


現代でも、私たちは日本という国に生まれ、住み、国の法律によって守られているという物語を信じているからこそ、知らない人を信じることができるのです。

「噓つきは泥棒の始まり」とよく言いますが、本当は「嘘つきは文明の始まり」と言えるかもしれません。


しかし、科学というものが生まれると、恐ろしいことが起こりました。噓がばれ、本当のことが次々と暴かれたのです。


科学が進み、産業革命が起きると、とにかく物を生産することが第一になりました。労働者はブラック企業で働き、日々苦しい思いをしてお金を稼ぐようになりました。

19世紀、世界の文明の頂点と言えるロンドンでは、暴力や殺人が横行していました。

それに対し、 各地の民族は清潔で、秩序を持って暮らしていたのです。

この差はまさに「科学」であると言わざるを得ません。


『サピエンス全史』を読み、人類というものをより深く学び、そして人類はどこに向かうのか。ぜひとも考えてみてください。


Text:3年 森暉理

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