未来=自由な創造
未来を担う10代・20代の人たちに向けてメッセージ
私から一つ言えるのは、どうか思考停止にだけは陥らないようにしてください。
今の世の中はいろいろと情報が錯綜しているし、時代も変わってきていますので気持ちが追いつかない部分があるかもしれません。そうしためまぐるしい変化の中にいると、判断を誤ってしまったり、思考停止してしまうこともあると思いますが、常に頭の中できちんと考えて行動してください。
そしてその上で、自分の感覚を信じてあげてほしいのです。今の若い人たちは本当に真面目すぎるので、もうすこしふてぶてしく生きてもいいと思います(笑) 。
クリエーターを志す人たち全員へのメッセージ
結局クリエイティブなことというのは、やはり自分の気持ちや感情から湧いてくるものを形にするものだと思います。だから先ほどと重なりますが、自分の感覚は信じてください。
例をあげると、私の場合それが編集部で行う編集会議の場だったりします。編集者が私の作品に対して、皆で自由に議論するのですが、飛び交った意見をすり合わせたり、みんなの意見を求めたりしていくうちに、私が最初に思い描いていた作品とはかけ離れたものを要求されることもあります。
もちろんそれを受け入れるわけにはいかないので、こちらも意見を言い合い、最終的には一番最初の状態に戻します。
これはアドバイスに耳を傾けるなという話ではありません。アドバイスはしっかり聞いてほしいのですが、周囲は無責任なほどに、とにかくたくさん意見をしてきます。それを全部聞いていると、考えが迷走してしまうこともあります。
もちろん、自分が作ったものが何も言われず即採用なんていうことはまずありませんが、自分の心に響いたアドバイスだけを取り入れて、これは違うなと感じた部分は断る勇気も必要です。
自分のやりたいことがブレてはダメということは意識してください。ブレない思考を持っているクリエーターでないと、この業界では生き残っていけないでしょう……。
やりたいことがブレまくって、意見をただ取り入れるだけになってしまうと、「この仕事は君でなくてもいいよね」となってしまうのです。
この人でなれば書けない、この人に頼まないとこれは作ってもらえないと思われるためにも、そこは絶対に譲らないでください。私も譲らず編集部といつも戦っています(笑)。
なかや先生にとっての「未来」とは
思い描いたことを、いつでも自由に創造できる未来にしたいです。
より良い未来を迎えるために、今この瞬間を、大切に生きていきたいと思います。
インタビューを終えて
参考になるような話ができたかどうかはわからないですが、今回のインタビューでなにか気にかけていただけることがあれば嬉しく思います。
インタビューをしてくださった学生さん達はしっかり私の話に耳を傾けてくださり、こういう真面目な方たちなら、社会に出ても大丈夫だろうと安堵しました。そして若い方が頑張った分、きちんと報われる世の中になってほしいという思いは一層強まりました。
私のほうもとても新鮮で良い刺激をいただいたインタビューで、勉強になりました。
どうもありがとうございました。
●企画/本文構成:長澤 尚輝
●取材&データ作成:長澤 尚輝、 飯田 鈴馬、 矢島 水月
●WEB制作 : 飯島 太陽、高野 広輝、土屋愛馨
●掲載日:2023/2/10
取材メモ
今回のなかやみわ先生の取材を通して、未来に向けてやるべきことを、俯瞰して見直すことができました。
誰もが今日という一日を生きるのに精一杯な中で、それでも現状を維持し続けるより、新しい風を吹き込ませることが大事だと分かりました。
特に「やる気はやってるうちに湧いてくる」というフレーズは、取材者自身も実践に取り入れています。
なかやみわ先生も懇切丁寧に受け答えをしてくれ、取材後のメールのやり取りでも速やかで真摯な対応をしていただけました。
編集部として大変助かりました。改めてご協力に感謝申し上げます。
(長澤 尚輝)