
カイフー・リー(李 開復) (著), チェン・チウファン(陳 楸帆) (著),
中原 尚哉 (翻訳)
出版社:文藝春秋
20年後。「ミライ」どうなっているでしょうか。
AIが人類を超えるだったり、第三次世界大戦が始まるだったり。変わり種ではゾンビが作られてバイオハザードのようなパンデミックになっている、と言う人もいるかもしれません。
実際そのようなことが起きるにせよ起きないにせよ、未来を予測し、準備しておくことはとても大事です。
本書は20年後の未来を「技術的な面から」予想したSF短編小説集になります。小説といっても技術顧問にはGoogle中国支部の元社長や各方面の専門家が協議してつくられているそうです。
収められた10話では様々な未来に生まれるであろう技術が取り上げられます。そして著者は実際に20年後に、その技術が生まれている確率は80%あると言っています。
私が「未来予想の入門書」として紹介するのはこの点にあり、20年後の技術を知っておくことはあなたが未来を想像する大きな手助けになることでしょう。
ただ、一つ伝えたいことがあります。本書や他の方が紹介している本を読んで、「あ、未来はこうなんだ」と決めつけたりはしないでください。私たちがひとつ選択を行うたびに未来は大きく変わります。
「もしも第三次世界大戦が勃発したら?」技術はかなりの躍進を遂げるかもしれません。核戦争が起きて地球が大打撃を受け、人類が衰退していくことになることも考えられます。
私が「技術的な面から」の予想だと言ったのはこの点で、世界は技術だけで動いているわけではありません。政治的、文化的、倫理的、経済的、視点は数多くあります。
これからもよく学び、様々な視点を身につけ、そして「ミライ」への糧にしていってください。
そして、そんな未来創造に、この本は絶対に役立つことでしょう。
Text:2年 森 暉理
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