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『校正のこころ』

森 暉理

『校正のこころ』

出版社 創元社


『校正のレッスン』

出版社 出版メディアパル


著者 大西寿男



まず、知らない人のために説明をすると、「校正」というのは文字を直すことです。簡単なところから言えば、誤字脱字を直すこと。少しレベルをあげると、その漢字や文字が文に合っているか確認すること。


「校閲」と呼ばれる段階に行くと、文に使われているデータ自体を疑って、実際に図書館に足を運んだり、調べたりして事実関係を明らかにしたりします。


ここまでが「校正」の初歩であり、私がすべての人に最低限学んでほしい内容です。


今回のBook&Movie Selectionでは『校正のこころ』『校正のレッスン』をおすすめします。




校正をすると、文がきちんとなります。

逆に、校正のされていない文はどうなるのかと言うと、様々な危うさを秘めることになります。


間違ったことを伝えて相手に嘘を伝えてしまうかもしれない。

本当に伝えたいこととは違うことを印象付けてしまうかもしれない。

良いことを言っていても、最後に誤字をしたことで無知を晒してしまうかもしれない。


ちなみに三つ目には実例があります。「虫さんが走る」と検索してみてください。


これらすべて、しっかりと文を見直し、あるいは読み直し、時間を置いて、声に出してまた読み直せば、違和感を感じる部分を見つけることができます。


そうやって、校正によって背筋をしっかりと伸ばした文章には、力がつきます。どこから見てもかっこいい文章になります。



言葉や文字は、とても強い力を持つ魔法です。人から人へと伝わる中で、より強大になることがあります。ほんの一言、ため息のように漏らした一言が、遠く離れた場所で人の心を追い詰めることもあります。


おまけに、今はインターネットを通じて様々な人同士がやり取りできる時代です。言葉の持つエネルギーは、距離や時間で減衰することなく相手に伝わり、それが良い意味でも悪い意味でも強い影響を与えます。


これはたとえ話ですが、銃には安全装置がついています。容易く人を殺すことのできる道具ですから簡単に暴発してしまわないようセーフティがかかっているのです。


同じように、言葉や文字にもセーフティをかける必要があると思います。

相手を傷つけてしまわないか、間違って伝わってしまわないか、それらをしっかりと「校正」の力で見つけ出し、言葉を正すことが大事なんです。



『校正のこころ』は、校正の歴史、成り立ちから始まり、校正をする際に必要な心がまえなどに触れていきます。手に取りやすく、内容もとても興味深いものでした。一般の方に「校正」を知ってもらうための良い本だと思います。


『校正のレッスン』は、校正者としての実体験や、実際に校正をする作業を教えてくれます。本格的に校正者を目指すなら読んでおくべき一冊と言えるでしょう。(この本を読んだからと言って必ず校正者になれるわけではありません)



今回、この二冊の本の著者である大西寿男先生に取材することができました。

私が記事を書き、実際に大西寿男先生に校正をしていただきました。(大変恥ずかしながら、また光栄ながら赤字は多かったです)


Fu:rootsの16番目に載っているので、本を取ってみるかどうかの判断材料になれば良いなと願います。



Text:3年 森暉理

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